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人身取引対策行動計画
平成16年12月7日
Ⅰ.人身取引対策の重要性
人身取引は、重大な人権侵害であり、人道的観点からも迅速・的確な対応を求められ
ている。これは人身取引が、その被害者、特に女性と児童に対して、深刻な精神的・肉
体的苦痛をもたらし、その損害の回復は非常に困難だからである。
このような認識の下、政府は、人身取引の防止・撲滅と被害者の保護に向け、関係省
庁間の緊密な連携を図り、国際社会と協調し、これを早急かつ着実に推進するため、本
年4月、人身取引対策に関する関係省庁連絡会議を設置した。人身取引は、複合的かつ
幅の広い問題であり、人身取引対策を推進するに当たっては、その防止・撲滅、被害者
の保護を含む総合的・包括的な対策を取ることが重要であることから、人身取引政府協
議調査団をフィリピン及びタイに派遣し、内外の関係機関やNGOの意見を聴取した上
で 総合的・包括的な人身取引対策を早急に講ずることを目指して 行動計画を策定し
国際的な組織犯罪である人身取引に決然として立ち向かうこととした。
行動計画では、人身取引被害者を保護の対象として明確に位置づけ、被害者が心身共
に過酷な状況に置かれていたことを十分配慮し、被害者の状況に応じ、きめ細かな対応
を行うとともに、加害者(ブローカー、雇用主等)の処罰に関しては、事案の重大性を
十分に踏まえた刑罰法令等の整備を図るとともに、取締りを一層強化することとした。
また、我が国に人身取引の存在を許容する要因となり得ていた諸制度にも踏み込み、人
身取引の防止を図ることとした。
(注)なお、本行動計画にいう「人身取引」は 「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合
条約を補足する人、特に女性及び児童の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定
書」第3条の定義に従っている。
Ⅱ.人身取引の実態把握の徹底
1.被害者の実態把握
○各関係機関による被害者の実態把握
警察及び入国管理局において、外国人女性等が稼働する店舗、外国人労働者が稼
働する建設現場や工場等の実態の把握、人身取引事犯に係る外国人、ブローカー、
雇用主等に関する情報の収集に努めるなど、関係機関において情報収集活動に努め
るとともに、入手した人身取引に関連する情報を集約した上で、これを共有し、ま
た婦人相談所において人身取引被害者の保護の状況について調査を行うなど、被害
者の実態把握に努める。さらに、各機関の間で事案を引き継ぐ際には遺漏のなきよ
う、確実な連絡体制を確立する。
○諸外国政府及び関連機関との情報交換
人身取引の目的地国である我が国における被害者の実態を把握するため、諸外国政府
及び関連機関等との間で連絡ネットワークを立ち上げ、関連情報の収集を推進する。
2.ブローカーの実態把握
○捜査機関におけるブローカーの実態把握

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人身取引容疑事案を認知した場合、悪質なブローカー、雇用主等の取締りや国内
外のブローカーの組織的背景の解明を念頭に置いて、事件化に向けた捜査を積極的
に行い、ブローカーの実態把握に努める。
○退去強制手続等におけるブローカーの実態把握
退去強制手続及び在留審査手続において人身取引事案を認知した場合には、外国
人被害者から実態について事情聴取しているところ、その一環として国内外のブロ
ーカー組織等についても積極的に実態の把握に努める。
Ⅲ.総合的・包括的な人身取引対策
1.人身取引議定書の締結
○人身取引議定書の締結
「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人、特に女性及び児童の
取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書(以下「人身取引議定書」という 」
。)
(仮称)の早期締結のため、可能な限り次期通常国会の承認を求めることを目指し、人
身取引議定書を実施するための国内法整備の要否及びその内容について、関係省庁間で
の検討を鋭意進める。
○人身の自由を侵害する行為の処罰に関する罰則の整備
人身取引議定書第5条に定める人身取引の犯罪化のため 現在 法制審議会において
人身取引を始めとする人身の自由を侵害する行為の処罰に関する罰則の整備について審
議中であり、その答申を受けた後、次期通常国会を目途に刑法等の一部を改正する法律
案(仮称)を提出する方針である。
○出入国管理及び難民認定法の改正及び諸手続の柔軟な運用
人身取引議定書第6条及び第7条に定める人身取引被害者の保護等のための退去強制
事由、在留特別許可事由等についての改正を行うため、次期通常国会を目途に出入国管
理及び難民認定法の一部を改正する法律案(仮称)を提出する方針である。また、出入
国管理及び難民認定法に定める諸手続の柔軟な運用を行う。
○婦人相談所における被害者に対する援助
人身取引議定書第6条に定める人身取引被害者の保護及び援助のため 衣食住の提供
カウンセリング、通訳の確保等の取組みを推進する。
○取り締まりの強化
警察及び海上保安庁においては、人身取引容疑事犯を認知した場合には、相互に緊密
な連携、協力を図るとともに、入国管理局、労働基準監督署等関係機関と連携し、悪質
な雇用主 ブローカー等の摘発を念頭において 人身取引事犯の取締りを一層強化する
2.人身取引を防止するための諸対策の推進
(1)出入国管理の強化
○空海港における厳格な上陸審査の実施

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人身取引による被害を未然に防止するためには、空海港における水際対策が重要かつ
効果的であり、厳格な上陸審査を実施する。具体的には、これまでも次のような対応を
行っているところ、これをなお一層厳格に行っていく。
・ 短期滞在」の在留資格から不法残留する者は、不法滞在者全体の約7割を占めている
ことから、人身取引被害者を含めて、不法残留者が多く発生している出身国別にデータ
を分析し、上陸審査を強化する。
・我が国を経由し第三国に入国を図ろうとする人身取引被害事案を防止するため、
空港の直行通過区域におけるパトロール活動を行い、航空会社と協力してブローカ
ー等からの偽変造旅券の受け渡し等不審な動きの監視・摘発に努める。
さらに、今後は、我が国への不法入国者が数多く出発している外国の空港にリエ
ゾン・オフィサー(連絡渉外官)として偽変造文書鑑識のエキスパートを派遣する
ことなど、新しい水際対策を積極的に行っていく。
○人身取引事案に係る情報の共有
送出国の関係機関相互との連携を強化し、ブローカーに関する情報を始め人身取引事
案に係る情報を共有し、これを積極的に活用することによって、人身取引事案発生の未
然防止を図る。
○水際における監視、取締りの推進
警察、入国管理局、海上保安庁等は緊密な協力関係を構築し、相互に情報交換及
び合同摘発を行うことにより、ブローカー等に対して強力な取締りを推進する。
(2)旅行関係文書のセキュリティ確保
○IC旅券の導入
旅券の偽変造や不正使用の防止強化のため、日本旅券にICチップを登載し、これに
所持人の顔画像を電磁的に記録して発給する。具体的には、平成17年度中の導入を目
指す。
○査証に係る偽変造対策
我が国への偽変造査証での入国を防止するため、高度な偽変造対策を施した機械
読取り査証(MRV)作成システムの整備を推進する。
○偽変造文書対策の強化
人身取引被害者を入国させる手段として旅券等の偽変造文書が使用されないよう
にするため、偽変造文書の鑑識をより厳格に実施する。
具体的には、平成15年度に、審査ブース等において入国審査官が旅券等の文書
鑑識を行うための機器(ビデオマイクロスコープ)を全国の空海港に配備している
ので 上陸審査時にこの機器をも活用し 引き続き偽変造文書鑑識を強化していく
また、偽変造文書保持者の出発地・到着地の双方において包括的な偽変造文書対策
を採る必要があるので、この点について検討していく。
(3 「興行」の在留資格・査証の見直し
○在留資格「興行」に係る上陸許可基準の見直し・上陸審査及び在留審査の厳格化
在留資格「興行」で入国してきた者、特にフィリピン政府が発行する芸能人証明書の

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所持により上陸許可基準を満たすとして入国したフィリピン人に芸能人としての能力が
なく人身取引の被害者となる者が多くいると認められることから、上陸許可基準を定め
た「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令」のうち、法別
表第一の二の表の興行の項の下欄に掲げる活動の項の一・イ・ 1)の「外国の国若しく
は地方公共団体又はこれらの準ずる公私の機関が認定した資格を有すること 」との基準
を削除し、芸能人としての能力の有無について実質的な審査を行えるようにするととも
に、その他の基準についても抜本的な見直しを行う。
また、招へい業者や出演店舗が人身取引に関与することがないように、上陸審査・在
留審査の厳格化を図る。
○適正な査証審査の実施
「なりすまし」による不正な査証発給を防ぐため、在留資格認定証明書に加え提出を
求めている関係書類に係る真偽確認の徹底及び関係者間の意見交換等の関係省庁との連
絡体制の強化を推進すること等により本人確認の厳格な実施に努める。
○在留資格「興行」を悪用した人身取引事犯の取締りの強化
警察及び入国管理局においては、在留資格「興行」を悪用した人身取引事犯の取締
りを強化することなどにより、在留資格「興行」の適正化を図る。
(4)偽装結婚対策
○在留資格取消制度の活用
平成16年12月2日から、改正出入国管理及び難民認定法に基づく在留資格取
消制度が施行され、この制度では「偽りその他不正の手段により、在留資格該当性
がある等として 上陸許可の証印等を受けた者 は在留資格の取消しの対象となる
したがって、日本人との婚姻を偽装して「日本人の配偶者等」の在留資格を受けた
場合には、この規定により在留資格を取り消すことが可能であることから、この制
度の活用を図る。
また、入国管理局と警察庁は、偽装結婚を始めとする合法滞在を装う者やこれら
の取締りを徹底するための連携強化を目的とした調査・捜査協力プロジェクト調整
会議を立ち上げており、今後このプロジェクトを強力に推進していく。
○婚姻の実態に疑義のある者の追跡調査
在留資格「日本人の配偶者等」を有する者については、在留活動の制限がないことか
ら、就労を目的として日本人の配偶者を装い本邦に入国・在留しているものが相当数に
上るものと考えられる。
昨今、特に酒類提供飲食店でホステスとして稼働する外国人は、在留資格「日本人の
配偶者等」を有する者が相当数を占めている状況が認められることから、これらの店舗
の摘発に際しては、身分事項等の確認に加え、在留資格「日本人の配偶者等」を有する
者で、稼働先店舗と外国人登録上居住地が遠隔であるなど婚姻の実態に疑義がもたれる
者については追跡調査を行い、在留資格の取消しや告発につなげていく。
(5)不法就労防止の取組み
○不法就労事案の厳正な取締り
人身取引被害者を不法就労させるブローカー等について関係機関が連携して厳正な取
締りを継続する。入国管理局においては人身取引被害者を雇用する者に対して厳正に対

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処するため積極的な告発を行うなどし、人身取引被害者の救済に協力する。警察におい
ては、不法就労を助長する犯罪及びこれに介在する暴力団員やブローカーを重点的に取
り締まる。
○不法就労防止に係る総合的な広報・啓発の推進
人身取引の温床となる不法就労の防止に向けて、人身取引事案の多発地域、業種を中
心として、事業主や経済団体等に対して、外国人労働者の雇用に際しては、在留資格を
確認するなど、法令を遵守するよう広報・啓発するとともに、人身取引被害者の送出国
や受入国などに対して関係国、関係機関等が協力して総合的な広報を行う。
○性風俗関連特殊営業等への不法就労の防止
人身取引の被害者の多くが風俗営業、性風俗関連特殊営業等に不法に就労してい
る状況があり、人身取引を防止するためには、これら営業への不法就労を防止する
ことが効果的であると認められることから、これら営業に係る不法就労事案の取締
りを徹底するとともに、これら営業を営む者等に対する積極的な広報・啓発活動を
推進する。
○性風俗関連特殊営業の規制の在り方の検討
風俗営業、性風俗関連特殊営業等に関する人身取引を防止するため、風俗営業等
の規制及び業務の適正化等に関する法律の改正も視野に入れ、風俗営業、性風俗関
連特殊営業等の規制の在り方について検討する。
(6)売買春防止対策の推進
○売買春事犯の取締り
いわゆるデートクラブ等の派遣型売春事犯、高額な債務を負わせるなどして外国
人女性に売春を行わせる事犯や児童買春事犯が広がっている状況にかんがみ、これ
ら売春事犯に加え、外国人女性を性風俗特殊営業等に不法就労させている事犯に重
点をおいた取締りを行う。
○売春防止法に基づく被害者の保護
売春による搾取は、人身取引被害者を含め女性の尊厳を傷つけ、人権を侵害する
ものであり、婦人相談所においては、こうした過酷な状況に置かれた女性に対し、
相談・一時保護等、適切な支援の措置を講ずる。
○学校教育、家庭教育等における取組み
教育においては、人間尊重を基盤として、売買春防止のための啓発を含む各種施
策を、学校教育・家庭教育等を通じ実施する。また、独立行政法人国立女性教育会
館においては、売買春防止に関する教育の充実を図る観点から必要な調査研究・教
材の開発等を行う。
3.人身取引を撲滅するための対策の推進
(1)刑事法制の整備
○人身の自由を侵害する行為の処罰に関する罰則の整備

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人身取引議定書の早期締結を目指すとともに、近年における人身の自由を侵害する犯
罪に適切に対処するため、現在、法制審議会において
①人身の売渡行為及び買受行為を犯罪とすること
②「生命・身体加害目的」による略取行為等を犯罪とすること
③被略取者等の「輸送 「引渡し 「蔵匿」行為を犯罪とすること
」、
」、
④国外移送目的略取等の構成要件を「日本国外」から「所在国外」に拡大すること
⑤逮捕・監禁及び未成年者略取・誘拐罪の法定刑を引き上げること
などを内容とする、人身の自由を侵害する行為に関する罰則の整備について審議中であ
り その答申を受けた後 次期通常国会を目途に刑法等の一部を改正する法律案 仮称
を提出する方針である。
(2)取締りの徹底
○悪質な雇用主、ブローカー等の取締りの徹底
警察及び海上保安庁においては、人身取引容疑事犯を認知した場合には、相互に
緊密な連携、協力を図るとともに、入国管理局、労働基準監督署等関係機関とも連
携し、悪質な雇用主、ブローカー等の摘発を念頭におき、また、その背後に潜在す
る国際犯罪組織の解明を視野に入れ、人身取引事犯の取締りを一層強化する。
○関係罰則の積極的な活用
人身取引事犯の取締りに当たっては、人身取引に関連する行為を処罰する現行の
罰則(刑法の略取・誘拐罪、出入国管理及び難民認定法違反、売春防止法違反、職
業安定法違反、労働基準法違反、児童福祉法違反、いわゆる児童買春・ポルノ禁止
法違反等)のほか、現在法制審議会で審議中の罰則について(法律の施行後 、こ
れらを積極的に適用し、犯罪収益のはく奪を含め、今まで以上に厳正な科刑の実現
に努める。
○労働基準法等関係法令の履行確保
人身取引に付随して労働基準法等関係法令違反が認められる場合には、関係機関
が連携し、適切に対処する。
(3)旅行文書等に関する情報交換の推進
○紛失・盗難旅券に係る情報の国際共有
人身取引事案の多くが 不法な形態による国際間移動を企図する傾向にあることから
関係各国が連携して偽変造旅券や紛失旅券に係る包括的な情報を共有し得る体制を構築
し、同情報の有効活用により出入国審査の強化などを図る。具体的には、平成16年中
に、紛失・盗難により失効処理した旅券情報を警察庁を通じてICPO(国際刑事警察
機構)に提供し、情報の国際間共有を図る。
○査証広域ネットワーク(査証WAN)の整備強化
外務本省と在外公館及び関係省庁を情報通信ネットワーク 査証広域ネットワーク 査
証WAN)で結び、査証の審査及び発給に関する情報等の即時共有化を推進する。
(4)諸外国の捜査機関等との連携強化及び情報交換の推進
○外国関係機関との連携強化

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ICPOルートや外交ルート、国際機関との協議や個別協議の場等を通じて、外
国関係機関との間における国際的な人身取引事犯に係る情報交換や国際間捜査協力
を積極的に推進する。特に、在外公館を通じ、人身取引被害者の送出国・経由国に
おいて人身取引対策タスクフォースを設立するなどし、先方政府関係機関と情報の
共有を図る。
○情報交換の推進
警察庁においては、在京大使館、関係NGO等との間で、人身取引問題に関するコン
タクトポイントを設置しており、今後、これらのコンタクトポイントとの会議を開催す
るなどして情報交換を推進する。
○国際捜査共助の充実化と条約締結の検討
アジア諸国等と刑事共助に関する条約の締結の可能性について検討を進める。ま
た、かかる条約の実施に当たり、捜査・司法当局を中央当局として指定し、その中
央当局間による共助の実施を検討する。
4.人身取引被害者の保護
(1)被害者の認知
○各種相談窓口における対応
警察、入国管理局、婦人相談所等の各種被害者相談窓口において、被害者やその
関係者から相談があった場合には積極的に対応し、被害者の認知・把握に努める。
また、相談窓口を設けているNGOの連絡先やコンタクトポイントの周知を図るな
ど、NGOとの連携・情報交換を推進する。
○取締りにおける被害者の認知
警察、入国管理局等関係機関は、出入国管理及び難民認定法、売春防止法、労働
関係法違反等の取締りにおいて、人身取引被害者が潜在する可能性があることにつ
いて十分配慮して、NGOとも緊密に連携しつつ、人身取引被害者の認知・把握に
努める。
○警察における被害者の取扱い
警察において、人身取引被害者が犯した犯罪が人身取引被害の一環として同取引
に付随して行われたものである場合には、以後の捜査の状況を勘案しつつ、被害者
としての立場を十分配慮した措置に努める。
(2)シェルターの提供
○婦人相談所等の活用
各都道府県に設置されている婦人相談所において、国籍、年齢を問わず、各般の
問題を抱えた女性に対し 相談・医師の診療を行うとともに 必要がある場合には
付設する一時保護所において、被害者の状況に応じ適切に保護を行う。被害者が児
童である場合は、必要に応じて児童相談所と連携して適切な支援の措置を講ずる。
今後とも人身取引被害者保護のために婦人相談所等の活用を図る。

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○被害者の希望に沿った対応と民間シェルターとの連携
退去強制事由に該当する人身取引被害者で速やかな帰国を希望する者について
は、民間シェルターに入居したまま強制退去手続を執って出国を可能とするような
方法を検討するほか、国費送還についても弾力的な運用を図る。また、在留の継続
が必要な場合は、生命身体への危険が認められないときには民間シェルターへの入
居を依頼するなど、事案に応じた臨機応変な連携体制を確保する。
○民間シェルター等への一時保護委託
DV被害者に対して実施する民間シェルター等への一時保護委託について、従来
の実績、所在地の秘匿性等から、より適切な保護が見込まれる場合等に、その対象
を人身取引被害者に拡大する (平成17年度予算要求中)
(3)カウンセリング・相談活動等の実施
○カウンセリング・相談活動等の実施
人身取引被害者、特に女性及び児童等の取扱いに当たっては、その心情面に十分
配慮するとともに、置かれている状況に応じて、恐怖感、不安感等を取り除く措置
を検討する。特に、性的搾取を受けていた被害女性等については、女性による対応
を心がけるとともに、医師の診察、心理カウンセラーの派遣等を検討する。
○法的手続の十分な説明
人身取引被害者で 退去強制手続中の者について メンタルヘルスの一環として
各種手続に精通した職員等が十分な説明を行う。
○人身取引被害者の支援に関する態勢の整備
人身取引被害者が法的な救済手段を利用するための情報を取得することを容易に
するための態勢の充実を図る。
○就労可能な在留資格を有する人身取引被害者に対する職業相談等
我が国において就労可能な在留資格を有しており、支援が必要であると認められ
る人身取引被害者も含め、職業相談等を実施する。
○婦人相談所への心理療法担当職員の配置等
人身取引被害者が心理的被害を受けている場合には、婦人相談所一時保護所に配
置されている心理療法担当職員を活用し、カウンセリング等による援助を行う。カ
ウンセリング、相談等を行うに当たっては、必要に応じて通訳を確保する。また、
婦人相談所に置かれた医師の診療に加え、状況に応じて、無料低額診療事業を行う
医療機関を始めとする周辺の病院、利用可能な諸制度等について情報提供等の支援
を行う。
(4)交番等に駆け込んだ被害者の取扱い
○保護要請があった場合の措置

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交番、警察署等では、外国人女性等から保護してもらいたい旨の申し出があり、その
者が人身取引被害者である可能性が認められる場合には、警察署又は警察本部の相談室
等において事情聴取を行う。
なお、事情聴取に当たっては、外国人女性等は、ブローカー、雇用主からの威迫等に
より精神的に不安定になり、また、警察に不信感を抱いていることも多いので、事情聴
取にはできる限り当該外国人女性等の母国語を解する警察職員や女性警察職員を充てる
ことなどに配慮する。
○婦人相談所における保護
外国人女性等が人身取引被害者であると認められる場合には 警察からの要請を受け
婦人相談所において、できる限り人身取引被害者を受け入れ、また民間シェルターと連
携を図り、被害者の適切な保護に努める。また、当該外国人女性等の国籍国の大使館又
は領事館に状況を連絡する。
○関係被害者の速やかな保護
人身取引被害者が交番等に駆け込む事案は、緊急に保護が必要な人身取引被害者
が他に存在することが考えられるので、保護した被害者からの情報を基に、他の被
害者がいる場合は、関係機関が協力し速やかに対応する。
(5)被害者の在留資格の取扱い
○入国管理関係手続の弾力的な運用
人身取引被害者に対しては、必要に応じて、在留資格の変更許可、在留期間の更新許
可及び仮放免許可などを弾力的に運用し、被害者の保護に努める。
○在留特別許可の弾力的な運用による被害者の救済
人身取引被害者には、在留資格のない者が多く含まれていると考えられるので、被害
者であることが確認された者については、事案に応じて弾力的な在留特別許可の運用を
行うことにより、被害者の法的地位の安定に努める。